同窓会事務局からの重要なお知らせ
2013年04月01日 10時16分
大阪・高槻北高:いじめ・体罰…今だからこそ、少年よ「教志」を抱け 養成コース新設
毎日新聞 2013年03月13日 大阪夕刊
いじめや体罰、学級崩壊などで教師の力量が問われる中、教育・保育に特化したコースを設け、「教師の卵」を育てる動きが各地の高校で広がっている。大学や地元の幼稚園・小中学校の協力を得て、地域ぐるみの取り組みにつながっているケースもある。仕事に対する高校生の意欲を喚起し、特色あるカリキュラムを取り入れて学校の魅力を高めるのが狙いだ。【林田七恵】
大阪府高槻市の府立高槻北高校(約1100人)では、教師や保育士に関心を持つ新2年生を対象とする「教志コース」を4月に開講予定で、約360人のうち94人が受講を希望している。生徒は年に約10日間、市立小中学校や市内の幼稚園・保育園のうち、希望する校種で実習に臨む。授業の見学や教師の補助のほか、学校行事の準備も手伝う。また、関西大や兵庫教育大など、協力を得られた近畿・四国などの国公私立25大学の教員を講師に招き、外国語の教え方や生徒指導の講義も受ける。こうした必修項目のほかにも、放課後、中学校で部活指導や幼稚園でボランティアをした場合も単位を認め、自主的な取り組みを促す。
体育教師を志す受講予定の上野千夏さん(16)は「大学で『考えていたのと違う』と思うより、高校にいる時から経験したいので楽しみにしている」と期待を膨らませる。
担当の小川寿之教諭(51)は「進路を決めかねている他の生徒への刺激にもなるのではないか」と波及効果に期待。長井勘治校長(55)は「志の高い教師を育てたい。結果的に教育関係の仕事に就かなくても『教師になる』『コースの実習や講義で努力する』と目標に向かって励むことが将来への糧になる」と話す。
高校で教員養成に特化したコースが新設される動きは06年ごろから全国各地で始まった。近畿では奈良県や京都市で設置され、千葉県でも来年4月から2高校に教員養成コースを設ける。大阪府内でも、吹田、島本、八尾の各府立高校が10年度以降、教育や保育専門のコースを設けている。
少子化で学校間の生徒獲得競争が激化し、高校側が特色を打ち出す必要に迫られると同時に、教師の仕事の魅力を発信する狙いもある。高槻北高校の生徒31人を十数校で受け入れる高槻市立中学校長会の前田勉会長(60)は「教師の仕事が敬遠されがちな今こそ、仕事ぶりを見てロマンを感じてほしい」と話している。
◇00年度ピークに志願倍率が減少
公立学校の教員採用を巡っては、団塊世代の大量退職に伴い、01年度から全国で採用が増えたのに対して志願者数の伸びが追いつかず、倍率は00年度採用の13・3倍がピークで、12年度には5・8倍まで減少した。大阪府では13年度採用が倍率・志願者数ともに05年度以降最低となり、特に倍率が低かった中学理科と技術で初めて追加募集した。現在の高校生が受験するころには採用ラッシュは落ち着いているとみられるが、世代交代が進む中で実力のある教員の確保が課題となる見通し。
(毎日.jpより)
P R