1975卒
 安東　敬人さん

リレートークのバトンを同級生の田村さんから引き継いだ私も臼杵高校を1975年に卒業して早いもので、まもなく半世紀を迎えようとしています。
懐かしい高校生の頃の思い出の一つは、強歩大会で50㎞以上を完走？完歩したことでしょうか。1年生のときは後からスタートした女子バレー部員から抜かされて悔しい思いをしましたが、さすが全国レベルの選手たちは鍛え方が違うと実感しました。2年生ではバレー部に抜かされることもなく、1年生の時に比べるとかなり早い時間にゴールすることができましたが、これも沿道でお母さんたちが笑顔で応援してくれて、用意してくれた飲み物で喉を潤すことができたお陰だと思っています。
卒業後は子供の頃からの夢だったパイロットになるため航空大学校に入学し、朝ドラの「舞いあがれ」で放映された帯広や宮崎、仙台で厳しい訓練に明け暮れた学生時代を送りました。東亜国内航空に入社してから、YS11・エアバスA300・エアバスA300-600・サーブ340の4機種を経験し、いまはスカイマークでボーイング737の機長としてフライトしています。
パイロットの醍醐味の一つはコクピットから季節が変わるごとに美しい景色を眺めることができることです。上空から臼杵を見ると高校のグランドや臼杵公園、津久見島など海や山に囲まれて本当に風光明媚な故郷で育ったと思い、同級生も元気でいるかぁと思いながらフライトしています。
また、種子島宇宙センターから打ち上げられたH2Aロケットを発射からロケット雲をたなびかせて蒼穹に消えていったのを見たときは感動的で鳥肌が立ちましたし、流星群の季節になると何個もの流れ星を見ることができるのも楽しみの一つです。
最近は航空技術の進歩でGPS（衛星の電波を使った航法）で飛べるようになって、航空路を正確にフライトできるようになり、羽田空港の離着陸回数を増やすということから、東京都内上空をフライトするルートができました。大分空港から羽田空港に旅行や仕事などで飛行機を利用するときには左の窓側席を予約するのがお勧めです。天気がいいときには富士山を見ながら、房総半島を経由し、東京スカイツリーや池袋の北を通過して、新宿と渋谷の上空を飛んだ後、左側に国立競技場や皇居、日本で一番高いビル麻布台ヒルズ、東京タワー、レインボーブリッジ、お台場などを見ながら着陸します。ただし、15時から19時（18時過ぎには使用滑走路が変わってしまうこともあります）の到着時間で南風という条件はありますが、南風の多い夏はこのルートを飛ぶことが多くなります。日没後に都内上空をフライトすると眩いばかりの夜景は本当に綺麗ですが、日没が早くなる秋から冬になると南風になることが少なくなるので、チャンスは少なくなります。
こうしてコクピットから全国の美しい景色を眺めることができるのも残り1年となりましたが、それまでにみなさんと機内でお会いできることを楽しみにしています。